明細書の確認ポイント(途中で意味が変わる文言)

3月は知財業界の繁忙期です。特許事務所によっては連日の深夜残業や、休日出勤で企業からの依頼をこなします。一方で企業側は、特許事務所に依頼しておしまい…。というわけではなく、特許事務所からの明細書をチェックします。特許事務所程ではありませんが、それなりに忙しくなります。繁忙期のために1件当たりに使える時間が少ない中で作られた明細書には、不備もあったりします。例えば、IT系の明細書では、明細書の途中で意味が変わる文言が出てきたりします。パッと見、内容が正しそうなので読み手もスルーしてしまいがちかもしれませんが、これは拒絶理由に繋がる可能性があります。時間がなくてもしっかりと修正していきましょう。

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途中で意味が変わる文言の具体例

途中で意味が変わる文言は、造語等で定義が必要な文言に生じがちです。例えば、あるグループAを定義したときに、明細書の序盤では、グループAは、ある装置のグループを表すものとして書かれているとします。しかし、明細書の途中から、グループAは、ある装置によって生成された情報のグループを表すものとして書かれていくようになるのです。パッと見、似てるけど、グループAの中身は装置から情報に変わっています。IT系の明細書では、物理的なモノではない情報を処理することが多いのでこのような事が起こりやすいように思います。

36条の拒絶理由に繋がる

上記のように、途中で意味が変わる文言を特許請求の範囲に記載している場合、36条関係の拒絶理由に繋がります。例えば、グループAは、明細書には装置と記載していたり、情報と記載していたり、どちらなのかわからないという明確性違反の拒絶の原因になります。他にも、装置のグループであれば発明のこの部分が動作しない、情報のグループであれば発明のこの部分が動作しない等の実施可能要件違反の拒絶の原因になることもあります。このような明細書中の矛盾を指摘されると、拒絶理由の解消は大変です。

原因と対策

明細書をチェックしていて、途中で意味が変わった文言を見つけると、きちんと指摘して修正することが必要です。このような事が起きる原因は、大抵の場合、発明への理解が曖昧なまま明細書を書き始めるためです。このため、読み手も、単に間違いを指摘するだけではなく、どちらに統一すべきなのか、どういったものなのか、ガイドを示したほうが良いです。特許事務所側にどちらに統一させるべきか任せてしまうと、理解が曖昧なまま修正を行う可能性がありますので、間違えているほう(望まないほう)に修正される可能性があります。

繁忙期もあと2週間半、頑張りましょう。

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