特許審査着手見通し時期の確認方法と活用方法

特許は審査請求手続きをすることで審査が開始されます。
審査請求後に審査結果が通知されますが、最初の通知までには平均して10.1か月かかります(参考:特許行政年次報告書2022年版)。
特許庁は審査着手見通し時期を公開しています。
本稿では、審査着手見通し時期の確認方法と、活用方法を紹介します。

スポンサーリンク

審査着手見通し時期の確認方法

 審査着手見通し時期は、特許庁のホームページで確認できます。

特許審査着手見通し時期照会について | 経済産業省 特許庁
特許審査着手見通し時期照会は、出願人、代理人ごとに審査未着手案件(公開前のものを除く)の着手見通し時期を、ホームページを通じて提供するものです。

審査着手見通し時期は、上記リンク先で公開されたExcel「見通し時期リスト」で確認できます。
見通し時期リストには、公開済みの出願で、かつ審査未着手出願について、審査着手時期の目安が掲載されています(2023年1月11日作成データ)。


だいたい向こう1年くらい先までの審査計画が掲載されています。
審査請求をしたあとに、リストに掲載されていない場合、リストの作成が間に合っていないか、出願公開が終わっていないのではないかと思います。

審査着手見通し時期の活用方法

早期審査の活用

審査着手見通し時期によっては、早期審査を活用することが考えられます。
早期審査とは、通常の速度よりも早く審査をしてもらうための手続きです。早期審査は、要件を満たした出願であれば、誰でもできます。その要件とは、例えば以下のようなものがあります(一部です)。
 ・出願人等が発明を実施等している出願であること
 ・日本以外の特許庁等へも出願していること
 ・出願人に中小企業等が含まれていること
早期審査を行うことで、最初の通知を早めに受けとることができます。2017年の実績では、最初の通知までの期間は平均して3か月以下にまで短縮されているようです。私が審査官と話をしたとき等も、3か月以内に通知することを目標に審査していると伺うことができました。もしも、早く審査をしてほしいなどの事情がある場合には、早期審査の活用を検討してみてください。

特許出願の早期審査・早期審理について | 経済産業省 特許庁
特許出願の早期審査・早期審理について

出願の取下げ・放棄(審査請求料金の返還)

出願人の都合等で特許が不要になった場合には、出願を取り下げたり、放棄することができます。
特許庁の審査着手前に出願を取下げ等することで、審査請求料金を半分返還してもらうことができます。

審査請求料返還制度について | 経済産業省 特許庁
特許出願の審査請求を行った後、権利化の必要性が低下した特許出願又は先行技術調査により特許性がないことが判明した等の特許出願について、特許庁が審査に着手する前に出願を取下げ又は放棄を行っていただければ、その取下げ又は放棄をしてから6ヶ月以内に返還請求することにより、納付した審査請求料の1/2(半額)が返還される制度です。

審査請求手続き自体を取り下げることはできませんので、注意が必要です。
出願を取下げたり放棄をすると、同じ発明を出願しても特許を取ることはできなくなります。

タイトルとURLをコピーしました