厚木シロコロホルモンに関する商標権について

Webで、厚木のシロコロホルモンという名称が使えなくなる?という趣旨のニュースを見ました。
こちら→ https://www.sankei.com/life/news/200204/lif2002040055-n1.html

スポンサーリンク

シロコロホルモンを取り巻く状況

 ニュースによれば、「シロコロ」に関連する商標は、以下の4つが登録されているようです。
登録番号:「5138788」、「5398244」、「5415903」、「5426435
 これら4つの商標権の中で、権利消滅までの期間が最も短いものが「5398244」で、2021年3月11日まででした。権利の消滅まであと1年以上あります(記事執筆時)。これらの商標権は、商標権者の所属団体が認定証を発行することで、飲食店等に使用を認めてきたようです。しかし、2019年の秋にその団体は解散してしまい、4月からは認定証も更新されなくなるそうです。
 商標権者は、厚木市に商標権を買い取ってもらえるように交渉を行いました。しかし、厚木市は買取を見送ったようです。商標権者は、民間企業等に交渉を行っているようです。もし、民間企業が商標権を買い取ってくれたとしても、認定制度が続けられるか否かは不透明のようです。
 商標権者は認定制度の継続を条件に売却交渉を行っているのではないかと筆者は予想しています。しかし、厚木市では認定制度を継続することができないため、折り合いがつかなかったのかもしれませんね(真実はわかりません)。

商標権の買い手がつかないとどうなるのか?

 商標権の買い手がつかないと、商標権者に商標権は帰属し続けます。しかし、商標権には存続期間がありますので、存続期間が更新されなければ、存続期間の満了と共に消滅します。

第十九条
 商標権の存続期間は、設定の登録の日から十年をもつて終了する。
2 商標権の存続期間は、商標権者の更新登録の申請により更新することができる。
3 商標権の存続期間を更新した旨の登録があつたときは、存続期間は、その満了の時に更新されるものとする。

e-Gov法令検索 商標法

 上記の記事では、認定証の更新については言及されていましたが、商標権の更新について言及されていませんでした。このため、商標権の買い手がつかない場合にどうなるかはわかりません。もし、商標権の買い手もつかず、更新もされなかった場合、商標権は存続期間の満了と共に消滅します(期間満了後の回復の規定もありますが、説明は省略します)。
 商標権が消滅した場合、誰でも使用できるようになります。同時に、他の者が同じ商標を出願して商標権を取得できるようになります。このため、悪意のある第三者が、商標権の消滅後に「シロコロ」の商標権を取得した場合、高いライセンス料が要求される可能性も考えられます。一方で、商標権が更新された場合には商標権は存続します。この場合、商標権は商標権者に帰属したままになりますので、悪意のある第三者に商標権を取得される恐れはありません。ただ、もともとの商標権者の許可なく登録商標を使用すると、商標権侵害になります。

名前「シロコロ」を使い続けるための解決策を考えてみた

 認定制度がなければ「シロコロ」を使い続けることはできないのでしょうか?認定証を更新することを解決であると定義するならば、商標権の買い手(認定証の発行団体)が見つからない限り解決は難しいと思います。そこで、商標法の制度を使って解決できないか無理やり考えてみました。

通常使用権を使う

 通常使用権を使うのはどうでしょうか?商標法には通常使用権という制度が規定されています。通常使用権は、商標権者等が商標権について使用を許諾することができる制度です。

第三十一条
 商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。
2 通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有する。
3 通常使用権は、商標権者(専用使用権についての通常使用権にあつては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
4 通常使用権は、その登録をしたときは、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。

e-Gov法令検索 商標法

 商標権者から通常使用権の許諾受けた者は、許諾を受けた範囲内で商標を使用できます。つまり、認定証を更新しなくても商標を使用することができます。さらに、通常使用権は登録されていれば、その後に商標権を取得した者に対しても効力を生じます。すなわち、通常使用権を許諾した後に、商標権の買い手が見つかったとして、その買い手が認定証の更新を拒んだとしても、商標を使用し続けることが可能になります。
 しかし、通常使用権は、商標権が消滅すると同時に消滅するので、商標権の更新自体は続ける必要があります。2021年に上述の4件の商標権のうち3件の商標権が存続期間を満了します。このため、この3件については来年には登録料を納付する必要があります。もし、商標権者に登録商標存続の意思があり、単にお金の面で困っているのであれば、認定を受けたお店がお金を出し合って、登録料を払うという手段も考えられます。クラウドファンディングでお金を集めることも可能でしょう。この場合、寄付のお礼としてお店の割引券を金額に応じてあげるようにすればお金は集めやすくなるのではないでしょうか。
 このままでは、2021年に一部の商標権が消滅する可能性があります。商標権の 買い手が見つかれば、更新料を払ってもらえると思います。しかし、 買い手が見つからなかった場合には、認定証を発行したお店に通常使用権を許諾しておき、何らかの手段で更新料を集めて商標権を更新しておくのはどうでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました