特許事務所(弁理士)の主な仕事

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特許事務所の主な仕事

 特許事務所の主な仕事は、発明、デザイン又は商標を知的財産権として権利化して、企業の成長に役立ててもらうことです。発明、デザイン、商標の中で一番多い仕事は発明を特許権にする仕事です。具体的には、依頼者から説明を受けた発明を、特許明細書として作成して特許庁に提出して、特許権として認めてもらう手続きを行います。このような知的財産を権利化する仕事は、弁理士という国家資格者を持った人しか行うことができません。ここでは、主に発明を特許権にする仕事について説明します。

特許明細書の作成という仕事

特許明細書について

 特許明細書は発明の内容を説明した文章です。特許明細書は特許庁によって指定された様式で作成される必要があります。下記のリンクは特許明細書の様式です。特許明細書はこの様式に沿って作成されます。ほかにも願書、特許請求の範囲、要約書及び図面も作成する必要があります。
 参考:特許明細書の様式(特施規様式第29(第24条関係))

発明を実施できるくらいの詳しさで書く

 特許明細書は、その発明の技術分野の人が特許明細書を読むと発明を実施できるくらいの詳しさで記書くことが求められます。そのため、明細書の作成には技術内容を理解できる知識を持っていることが望ましいです。そのため、理系大学や、企業の研究開発出身の方と相性の良い仕事だと思います。ただ、私の経験上、特許事務所では、自分の専門分野に近い発明と同じ数くらい、専門分野とは関係ない発明も扱います。そのため、自らの技術的なバックグラウンドがどうか?よりも、新しい技術をいきなり学ぶことに抵抗のないことのほうが重要になると思います。

日本語能力も重要

 特許明細書は日本語で書かれていますので、発明の内容を正しく文章化できる日本語能力が求められます。要求される日本語能力はかなり高いと思います。特許明細書の日本語が不正確であれば特許権の技術的範囲も不明確になり、想定していた権利にならない可能性があるからです。特許明細書を書くならば、日本語の作文技術を読んで、最低限の知識を身に着けることをお勧めします。特許明細書の作成は、文章を書くのが好きだから頑張れるという次元ではなく、他者からの粗探しにどれだけ耐えられるか?がとても重要になります(特に初心者の頃)。

中間処理について

中間処理について

 中間処理は、特許庁から通知された拒絶理由通知等に対する応答処理のことを言います。拒絶理由通知書には、現在の特許明細書では特許として認めることができない理由が記載されています。この理由に対して、特許事務所の弁理士は、手続補正書と意見書との2種類の書面を用いて拒絶理由の解消を試みます。この中間処理によって、拒絶理由が解消されると、無事に特許査定になります。なお、明細書の作成から特許査定までの流れについては、下記で説明しています。
 参考:日本で特許を取るにはどうするの?

中間処理の重要性

 中間処理は期限のある面倒な手続きという印象かもしれませんが、重要な手続きです。中間処理は特許権の範囲を確定させる手続きでもあるからです。出願人によっては、権利範囲が狭くても製品をカバーした特許権を望まれる場合もありますし、なるべく広い権利を取りたい場合もあります。出願人とよく相談をしてどのような反論をするのか決めていくことが重要です。中間処理について勉強するには、元特許庁の審査官の先生が執筆された「新・拒絶理由通知との対話」がおすすめです。

その他の仕事(鑑定、訴訟、セミナー、調査)について

外国出願も増えている

 近年は、明細書の作成や中間処理に加えて外国出願も増えてきました。日本で取得した特許権は、日本でのみ有効だからです。外国で特許権を取得するには、特許権の取得を希望する国ごとに特許出願を行う必要があります。ほかにも、特許事務所には様々な仕事があります。

鑑定、訴訟、セミナー、調査について

 他の仕事の一例としては、鑑定、訴訟、セミナー、調査があります。
鑑定は、ある製品が他者の特許権を侵害していないか?を判断する業務です。
訴訟は、自社の特許権を侵害する者を訴えたり、あるいは訴えられたりした場合に被告又は原告の補佐人(又は代理人)として争う業務です。
セミナーは、企業の会議室などで知的財産に関するセミナーを行う業務です。
調査は、自社の製品と近い技術としてどのような特許が出願されているかを調べたり、特定の特許を無効にするための無効資料を調べたりする業務です。
参考:先行技術調査は必要なのか?
簡単な説明になりましたが、このように特許事務所には、明細書作成だけではなく、様々な仕事があります。

特許事務所への転職には弁理士試験に合格してからがお勧め

特許事務所の仕事に興味がある場合、弁理士資格をとったあとに転職することをお勧めします。特許事務所には弁理士資格がなくても転職できますが、弁理士資格を持っていたほうが色々な仕事をやらせてもらえるからです。
参考:特許事務所で弁理士資格を持っていると仕事の幅が広がる
参考:学生が弁理士を目指そうと思ったら…
例えば、私もメーカー(リコー)に就職した後、弁理士の資格を取り特許事務所に転職しましたが、私よりも何年も長く勤めている人よりも私のほうが様々な仕事を担当させてもらえたからです。。弁理士資格は受験予備校で勉強しながら取得することが一般的です。
私は下記のLECに3年間働きながら通い、弁理士試験に合格しました。

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