先行技術調査の基本手順

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先行技術調査の基本手順

先行技術調査は、その発明についてすでに出願されていないかを特許出願前に確認する調査です。
先行技術調査では、先行技術文献と発明の特徴との違いを明確にすることで、より有効な権利の取得に繋げることを目的にしています。
本稿では先行技術調査の基本的な手法を紹介します。
本手法は知財塾の先行技術調査ゼミで習った手法をベースにした手法になります。

予備検索

予備検索とは特許調査を本格的に行う前段階として行われる調査です。
予備検索はキーワードの選択と、特許分類の選択とを目的にしています。
予備検索によってキーワード及び特許分類を定めた後で、本格的に検索式を作成し、本検索を行います。

調査テーマを要約

特許調査対象にする技術の要約を最初に行います。
文字数はだいたい50文字くらいを目安にして要約を作成します。
50文字は発明を説明するには少ない文字数です。
技術分野と先行技術との区別要素まで書ければ十分かと思います。

キーワードの取得

要約からキーワードを取得します。
具体的には、要約に含まれる名詞を取り出します。
例えば、要約が「素因数分解を用いた確率的な復元可能性を有する秘密分散法」である場合、キーワードとして、“素因数分解”、“確率”、“復元”、“秘密分散”を取り出すことができます。

 

同義語・類義語の探索

取得したキーワードの同義語・類義語を探します。
頭の中で思いつく限りの同義語・類義語を列挙することもできますが、J-GLOBALにキーワードを入力することで、同義語を取得することもできます。
例えば、“復元”を入力すると、リカバリ、回復等の同義語を取得することができました。

予備検索

選択されたキーワードやその同義語・類義語を検索サイトに入力して、公報を検索します。
検索サイト(J-Platpat)での検索結果は3件でした。


予備検索の後に本検索を行う場合、予備検索の結果が極端に少ない数でなければ、予備検索の段階では母集団の数はそれほど気にしなくても構わないと思います。
予備検索の目的は、キーワードの取得と特許分類の選択だからです。
件数が多すぎる場合には、新しい公報を優先的に確認していきます。

特許分類の決定

予備検索で見つかった公報から特許分類を決めます。
公報の内容を確認し、発明に関連する公報を見つけます。
公報が見つかると、その公報に付与された特許分類(FI)から、本検索で用いる特許分類を決定します。
特許分類は1つの公報ではなく、数件の公報から特許分類を最終的に決定することが望ましいと思います。

本検索

本検索

キーワードと特許分類を組み合わせて本検索を行います。
本検索では検索結果の集合を見ながら特許分類とキーワードを見直していき、検索精度を高めます。
見直しにあたっては、検索結果の集合からいくつかの文献をサンプリングして、発明に関連した公報であるかどうかで見直していきます。

文献確認

本検索が終了したら、文献を確認します。
先行技術調査では、明細書の本文に発明の構成要件が記載されているか確認していきます。
発明の構成要件と、先行技術に記載されている構成要件との違いを明細書中に明確にしておくことで、有効な特許権の取得可能性を高めることができます。

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