早期審査・早く特許権を取る方法

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早期審査とは?

 早期審査とは、通常の特許審査よりも早く審査結果を得られる手続きです。早期審査を行うと、大体3か月くらいで拒絶理由通知が通知されます。特許行政年次報告書2021年版によれば、2020年は平均2.7か月で拒絶理由通知が通知されたようです。一方、早期審査を行わなかった場合、平均10.1か月と報告されており、早期審査を行うと、審査期間は約3分の1に短縮されることがわかります。このため、早く特許権が欲しいといった場合には、早期審査の活用を検討してみてください。

早期審査のメリット・デメリット

早期審査のメリット

 早期審査のメリットは、早く特許権を得られることです。早く特許権を得ることができれば、すぐに他社の参入を排除できたり、他社にライセンス交渉できたり、投資家からの資金調達説明に活用できたりします。

 また、早期審査を行うことで、たとえ特許を得ることができなかったとしても、特許出願された発明を公開せずに済ますこともできます。特許出願された発明は、出願から1年6か月が経過すると、特許庁によって公開されます。しかし、1年6か月までに取り下げ又は放棄された特許出願は公開されません。このことを利用して、早期審査をして通知された審査結果を見て、特許を取れそうになければ出願を取り下げ又は放棄すればよいのです。出願公開前に出願を取り下げ又は放棄すれば、出願公開されないので発明の内容を秘密に保つことができます。

早期審査のデメリット

 早期審査のデメリットは、出願公開よりも早期に発明内容が公開される可能性があるということです。特許出願された発明は、出願日から1年6か月経過すると出願公開されます。しかし、早期審査ををすると、出願日から1年6か月経過よりも早く特許査定されることがあります。この場合、出願公開よりも早く特許公報が発行されます。特許公報によって、出願公開されるよりも早く、発明が公開されてしまいます。
 参考:日本で特許を取るにはどうするの?

早期審査する方法

早期審査をするには、早期審査を受けられる出願であること、必要な手続きを行うこと、の2つが必要です。

早期審査を受けられる特許出願

早期審査を受けられる特許出願は以下の6パターンに分類される出願です。早期審査を希望する特許出願がいずれか1つに分類されていれば、早期審査を受けることができます。

(1)実施関連出願
(2)外国関連出願
(3)中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願
(4)グリーン関連出願
(5)震災復興支援関連出願(詳細は、震災復興支援早期審査・早期審理についてを御覧ください。)
(6)アジア拠点化推進法関連出願

特許出願の早期審査・早期審理について(特許庁)

早期審査に必要な手続き

 早期審査に必要な手続きは2つです。
 1つ目は、審査請求です。2つ目は、早期審査事前説明書の提出です。
早期審査事前説明書には、早期審査を必要とする理由や、先行技術文献との対比説明などを記載します。早期審査事前説明書の作成が難しい場合は弁理士にお願いしましょう。令和3年5月以降は、早期審査事前説明書のレイアウトに若干の変更がされているようなので、注意してください。
 参考:令和3年5月以降の早期審査の手続に関する変更点について

早期審査の料金

 早期審査の料金は無料です。しかし、審査請求料金は別途に発生しますし、早期審査事前説明書の作成や特許庁提出にかかわる弁理士料金は発生しますので、注意してください。

知財初心者が知財実務を学ぶには?

知財実務のツボとコツがゼッタイにわかる本」は、企業知財担当者が知財実務の基礎を学ぶのに適した本です。本書は特許法等の法律知識よりも、知的財産の活用、戦略策定を重視した本です。本稿で紹介したような、特許制度のメリットデメリットの紹介だけではなく、他社との提携の際の注意点や、商標・著作権等の他法域に関するメリット・デメリットといった、幅広い内容が記載されています。

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